グルメ2022年07月14日
「マンナンミールカンパニー」のSDGsなこんにゃく食品
ーーこんにゃくの知られざるポテンシャルとは
こんにゃくというと、「カロリーが低くダイエットにむいている」という印象をお持ちの方が多いのではないでしょうか。
実際、低カロリーに加え、低糖質、低脂質、低GI(血糖値の上昇を示す指標)と、お腹いっぱい食べても太らないという、とても健康的な食品です。
さらに近年は、安全性や加工食品としての可能性にも注目が集まっています。
三木町にはこんにゃく加工食品の草分け的存在で、あらたな可能性に挑戦し続ける老舗のこんにゃくブランド『マンナンミールカンパニー』があります。社長の菱谷龍二さんと、常務取締役の菱谷哲嗣(のりつぐ)さんにお話をうかがってきました。
こんにゃくは加工食品としては古く、諸説ありますが、1200年ほどの歴史があり、もともとは、整腸剤として利用されていました。食品として利用されるようになってから今まで食中毒事例もなく、とても安全な食品です。
また、生芋からできているため、植物由来かつ、多くが国内で生産されている安心食材といえます。
こんにゃくはうどんやパンになる小麦、豆腐やみそになる大豆と同様、加工しやすく、代替食品にも使える食材です。
マンナンミールでは、自社で味や色、食感などを研究し、さまざまな特許を取得しています。そのため、生レバーをはじめ、こんにゃくを使ったおいしい代替品も提供できるのです。
このように、こんにゃくは安心安全な食品であることに加え、アレンジの幅も広く、さまざまな可能性を秘めた食品なのです。
ーーアレンジ三変化! 話題のこんにゃくヌードルとは
哲嗣さんが開発したのが、「こばらみちるシリーズ」。ユニークなネーミングとパッケージが目をひきます。
デザインの斬新さだけでなく、簡単に調理できて、遅めの夕食でもからだにやさしいなど、忙しい現代人のライフスタイルにマッチした新感覚のヌードル食品。なんと1食100kcal以下の商品がそろうというからおどろきです。
「忙しい毎日に、手軽でおいしく健康になれるものを」と開発しました。
こんにゃく麺は、サラダ、スープ、炒めものとアレンジの幅が広く、工夫しだいでレシピが広がります。
●調理例1 食べ応え抜群! こんにゃく麺のサラダ
●調理例2 スープにしてラーメン風にアレンジ
●調理例3 炒めてパスタ風にアレンジ
水を切って、あえたり、炒めたりするだけと簡単ながら、食べ応えがあり、カロリーは控えめと、夜遅くに小腹が空いた時などに重宝します。日持ちがするためストック食材としてもおすすめです。
韓国やタイ、ベトナムなど、女性に人気のアジア料理を意識したシリーズも登場。カップこんにゃく麺に進化しており、水やお湯も不要で、レンジで2分温めるだけと、さらに手軽になっています。
ーーおいしさを支える、3つのスゴい特許技術
これまでのこんにゃくは、カロリーが低くてヘルシーでも、味がないため「どうおいしく調理するか」というのが課題でした。
マンナンミールカンパニーは独自に研究をすすめ、おいしくて使いやすいこんにゃく食材「マンナンミール」を開発したのです。
そんなおいしさを支える特許技術とはどんなものなのでしょうか。代表的なものを3つ教えていただきました。
●スゴイ特許1 臭みをなくして、おいしく感じる技術
こんにゃくは独特な臭みがあり、そのままでは食べにくいですが、自社ならではの技術によって、人がおいしいと感じるこんにゃくを製品化することに成功しました。下ごしらえなしですぐにおいしく食べていただくことができます。
●スゴイ特許2 すぐに味がしみ込む技術
おでんのこんにゃくなど、通常は時間をかけないと味がしみ込みませんが、マンナンミールは、ほんの数分で味がしみ込みます。人気の「うまいのなんの!こんにゃくのチャプチェ」も、麺のなかにうまみ成分を入れることができるため、こんにゃく麺自体に味がついており、おいしく召し上がっていただけます。
●スゴイ特許3 見た目や食感を再現できる技術
食品をおいしくいただくうえで、色や形など、見た目のファクターは欠かせません。
マンナンミールは、天然色素を工夫して定着させることで、さまざまな色のこんにゃくを作ることができるようになりました。
麺はもちろん、肉や魚のすり味、明太子やあんこなども近い味と食感で再現することができるんですよ!
ーー腸活に取り入れたい! こんにゃく×希少糖のシナジー効果
このように変幻自在のマンナンミールですが、こんにゃくをよりおいしく、より簡単に食べることができるマンナンミールを使ったスムージーにもすごい効果があることがわかりました。
こんにゃくは、もともと整腸剤として食べられていた腸によい食品ですが、奇跡の糖とよばれる「希少糖」を加えることで相乗効果を発揮するようです。
希少糖とは?
自然界に存在量が少ないめずらしい糖で、香川県を中心に研究・開発が進められています。食後の血糖値上昇や脂肪蓄積の抑制効果を持つものがあるといわれています。
こんにゃくって、なぜ腸にいいの?
こんにゃくは、酸につけても形が変わらないうえ、97%が水分でできています。そのため、胃で消化されずに大腸まで届きます。そして、腸で酵素により分解されることで97%の水分が宿便にいくとともに、糖質や脂質が吸収されるのを妨げたり、糖質や脂質に吸着して外へ排出する効果もあると考えられます。
2013年からは、経済産業省や香川県の協力をいただきながら、香川大学医学部と共同で「希少糖入りマンナンミール」の研究開発を進めました。
臨床試験の結果、希少糖を含んだマンナンミールを摂取することで、食後の血糖値上昇がいちじるしく抑えられ、糖尿病予防につながるということが判明。「機能性食品原料」としてのこんにゃくの可能性に期待が大きくふくらみます。
ーー体にも地球にもやさしいSDGsなこんにゃくの魅力
マンナンミールは、健康志向ブームにマッチするだけでなく、地球規模で深刻化している食料問題の面からも注目を集める食材です。
日本に住んでいるとあまり実感がないかもしれませんが、世界では発展途上国を中心に、人口増加にともなう食品の原料(米、小麦、トウモロコシなど)不足が懸念されているのです。
●食糧不足問題
小麦粉や大豆は1kgの原料から4〜5kgの加工食品ができるのに対し、こんにゃくはおなじ1kgの原料から30〜60kgの加工食品ができるため、約10倍も効率がよい食材といえます。
これは、一定の原料からより多くの人が食べるものを生産することができるということなので、穀物原料不足の助けとなる第三の原料として期待できます。
●耕作地問題
穀物の代表のひとつである小麦は、乾燥している地域や寒い地方で育ちやすく、気温が高く湿度の高い東南アジアには向きませんが、反対にこんにゃく芋は、熱帯雨林が原種で東南アジアでつくることができます。つまり、小麦の耕作地を減らすことなく、食品原料の生産を増やすことができるのです。
実際、日本からこんにゃく芋の「種芋」をベトナムへ持って行って、栽培実験を行いました。試行錯誤しましたが、ベトナム政府の支援もあり、農業試験場で栽培に成功しています。
●輸入加工品のインフレ問題
円安の影響で、輸入加工品は値上がりするといわれていますが、こんにゃくの原料となるこんにゃく芋は国産のものが多く、影響を受けづらいと考えられます。
また、代替肉として注目されている大豆ミートは、原料である大豆が輸入できなくなると生産がむずかしくなりますが、原料が国産であるこんにゃく製品は原料に困る可能性が低いのです。
つまり、「マンナンミール」は、発展途上国での食問題と先進国での健康問題の両方を解決する糸口となることが期待できるのです。
広い視野を持ち、地球や未来のことを考えているからこそ生まれるSDGsなこんにゃく食品。今後の展開がとても楽しみです。
ーー今後100年の目標は「お腹いっぱい食べて、健康になれる」商品開発
マンナンミールカンパニーは、1924年創業の三木町の老舗企業「ハイスキー食品工業」から生まれたこんにゃくブランド。ハイスキー食品工業では、伝統的なこんにゃくの製造に加え、こんにゃくのあらたな可能性を追求し続けています。
マンナンミールカンパニーのホームページをのぞくと、こんにゃくで再現した漬けマグロやタピオカなど、斬新にも思えるこんにゃく製品がライナップされています。
既成概念にとらわれない商品開発は、特許取得に示されるよう、独自にこんにゃくの可能性を追求しているからにほかなりません。
インパクトだけではなく、味もしっかりおいしいからこそ、人気商品が生まれ続けているのです。
こんにゃくから広がる「低カロリーでよりおいしい食べ物」への可能性をこれからも真摯に追求し、技術の開発にますます力を入れていきたいと考えています。
人は、おいしいものを思う存分食べられることで心が豊かになり、人に優しくなれます。不安のない「食」によって、笑顔と優しさを広げていきたいです。
100年培ったノウハウで、次の100年を考える、ハイスキー食品工業が生み出す「マンナンミール」。ゆめタウンでラインナップがそろうほか、三木町のマルナカでも一部商品が購入できます。
また、ホームページからもご購入いただけますので、ぜひお試しください。
DATA
ハイスキー食品工業株式会社
住所:香川県木田郡三木町大字氷上219番地
電話:087-898-1125(代表)
※公開時点の情報になります。最新情報はホームページなどでご確認ください。