一般社団法人三木町観光協会一般社団法人三木町観光協会

グルメ2022年06月22日

「まさご屋 すする」
400年受け継がれる本物の手延べそうめん

ーー「まさご屋 すする」とは

『まさご屋 すする』は、三木町と高松市の堺にある公渕森林公園に隣接する「麦縄の里」の一角にあるそうめん屋。伝統的な手延べ製法でつくったそうめんがいただけると話題の店です。

400年以上の歴史があるそうめんの一大産地、小豆島で30年以上前からそうめん製造をおこなっている「まさご屋」の3店舗目。現在は、そうめんの製造もこちらでおこなっています。そのため、できたてのそうめんがいただけるのも魅力。

小豆島出身の真砂さんは「冬の澄んだ青空の下でそうめんが干される風景も残していきたい」と語ります

そうめんづくりは効率を重視して機械化がすすんでいるなか、まさご屋では手でつくることにこだわり続けています。その奥には、歴史ある本物のそうめんのおいしさを伝えていくのはもちろん、伝統技術を後世に残していきたいという、店主の真砂泰介(まさごたいすけ)さんの想いがあります。

そうめんづくりのメインは冬。シーズン中は、まさご屋の外で天日干しているそうめんを見ることができます。まっすぐのびるそうめんのカーテンは圧巻。一見の価値があります。

ーーまずは食べてほしい、至極の一杯

まさご屋で食べた人は「そうめんの概念が変わる」と口をそろえます。そんなまさご屋そうめんの魅力を存分に味わえるのが「冷やしそうめん(¥500/税込)」。シンプルだからこそ素材の味が引き立ち、真砂さんも、まずは食べてほしいという自信作です。

ひと口食べると、麺の弾力とコシにおどろかされます。氷水でしめたつるつるの冷たい麺がのどに落ちる感覚は、クセになるおいしさ。実際、冷やしそうめんを食べると、おみやげや自宅用に乾麺を買って帰る人が多いのだそうです。

まさご屋そうめんは、コシがあるので温麺にしてもおいしい。秋からはかけも登場と、1年中そうめんを楽しめる

まさご屋そうめんの味を引き立てている、つゆの存在も見逃せません。いりこのなかではNo.1といわれる、香川県観音寺市伊吹島の「伊吹いりこ」をふんだんに使用。

伊吹島は漁場が近く、すぐに水揚げするため、頭やはらわたまでそのまま食べられるほど新鮮ないりこができます。

さらに、北海道産の利尻昆布や小豆島をはじめ3種類のしょうゆを使用して仕上げています。

ちなみに、日によっては、裏メニューの生麺をいただくことができます。お店の人に「今日は生麺ありますか?」と聞いてみてください。 

ーーファンが多い「もち麦そうめん」

一度食べるとハマる人が多いという「もち麦そうめん(冷やしやぶっかけなど各¥800/税込)」は、小麦粉に、讃岐もち麦「ダイシモチ」を加えたそうめん。コシのある細麺と香ばしい風味がクセになります。昨年は、7月に売り切れてしまうほど人気だったそう。※平日限定

ーー旬がつまった、一期一会の「創作そうめん」

アスパラとたけのこのペペロンチーノなど、時期によっていろいろな創作そうめんが登場します

秋から春にかけて楽しめる、そうめんをペペロンチーノや担々麺などにアレンジした、創作そうめんも人気。春であれば、近くの農家さんや真砂さんが採ったタケノコや山菜が入るなど、季節に合わせて具材が変わります。

真砂さんがインスピレーションを得るのは、地元のものや、出かけた先で出会った農家さんなど知り合いの食材。創作そうめんは、真砂さんおすすめの旬の食材を盛り込んだ一杯なのです。

青みかんそうめんは、真砂さんが知り合った「slow farm」さんで採れた無農薬のみかんを使用。色づく前のみかんの酸味は、そうめんとの相性が抜群なのだとか。

こちらは、香川の郷土料理「なすそうめん」。三木町小蓑(こみの)にある「やすまる農園」のなすを、ていねいに出汁をとったまさご屋のつゆ、高松市塩江町の添加物なしの「ほんまもんの甘酒」の甘酒に、刻みしょうがを加えて煮ています。くたっとしたなすが食欲をそそります。

ある日のメニュー一例。創作メニューのほか、うどんのように「ぶっかけ」や「かまあげ」を選べるのもユニーク

近くのもの、知り合いのもの、にこだわり旬の食材を選んでいるため、おなじメニューがあるとはかぎりませんが、その日、その日で、真砂さんがおすすめするそうめんレシピを楽しむことができます。

ーー家族や友達と楽しめる「流しそうめん」

夏季限定の流しそうめんも大人気。※2022年は4月30日から9月30日まで

店内には竹のレーンが並んでおり、薬味とつゆ付きで、50分間お替わりし放題。追加注文でカットフルーツを流すことができるほか、好みの薬味や、ミニトマトなどの野菜を持ち込むこともできます。

店内はオープンスペースで、風をそのまま感じられる心地よい場所。三木町の自然を感じながら、特別なそうめん体験を味わえます。

ーー生地に合わせる、職人の麺づくり

まさご屋のそうめんは、風味の豊かさと、麺の弾力やコシをしっかりと感じられる太さに仕上げられているのが特徴です。

ほかではなかなか味わえない、本物のそうめんを生むのは職人の手仕事。手でつくるからこそ、生地に合わせて最適な麺をつくることができるのだそうです。

まずは、小麦粉を塩水で練り、体重の3倍もの重さになる生地のかたまりをつくります

真砂さんのそうめんづくりは、夜中の2時半にはじまります。昔ながらのやり方で練り上げ、手延べするため、約30時間もかかるそう。

もっとも苦心するのは、60層以上にも重なる麺層をきれいにつくることなのだとか。ゴマ油をぬりながら、小指くらいの太さになるくらいまで延ばしていきます。

生地の状態は気温や湿度など、環境によって変化する繊細なもの。30分もすると状態が変わってしまいます。そのため、弾力や手ざわりなどから状態をみて、職人の感覚で麺をつくる機械を1mm単位で調整していきます。

小指くらいになった麺を、2本の棒に8の字にかけてから熟成し、さらに延ばしていきます

手でつくるからこそ、その時々の状態に合わせ、いい状態の麺をつくることができるといいます。このような手間暇が、まさご屋そうめんのおいしさを支えているのです。

瀬戸内は雨が少なく、冬は空気の澄んだ寒風が吹くため、天日干しには適した気候

最後に、端正をこめてつくりあげた麺を、太陽の光にあててしっかりと乾燥させます。天日干しすることで白く美しい、つるつるのそうめんが出来上がります。

ーー話題のエリア「麦縄の里」にも注目

真砂さんは、「そうめんを機械化せずに手間をかけてつくることで、見えてくることもたくさんある」といいます。そんな考えや経験を活かして町づくりにも取り組み、つくったのが「まさご屋 すする」のある「麦縄の里」です。

麦縄の里は、食や環境に取り組む若い世代が店を構える話題のスポット。身近な食材を使うすばらしさ、環境を考えてものを選ぶ大切さ、そういった考えや取り組みを知ってもらい、その楽しさやおいしさを広められたらという想いからはじまりました。

真砂さんを中心に、麦縄の里のメンバーで手づくりしたというイートインスペース。麦縄の里でテイクアウトしたものはもちろん、まさご屋のそうめんもここで食べることができます。

「まさご屋 すする」では、そうめんづくりの工程や職人の技を感じることができるほか、一年を通じてさまざまな表情を見せるそうめんを味わうことができます。

また、「麦縄の里」ではそうめん帰りにカフェ利用ができたり、おみやげを買ったりすることができ、そうめん+αの時間をすごすことができます。

そうめん好きはもちろん、新たな食の魅力を発見できる注目スポットに、ぜひ遊びにきてください。


DATA

麦縄の里 まさご屋 すする

住所:香川県高松市東植田町1361
電話: 087-899-8229
営業時間: 10:00~15:00(Lo14:00)
休み:不定休
HP:https://www.muginawa-m.com/
インスタグラム: @muginawanosato
駐車場:あり
アクセス: 高松駅から車で40分 / 高松中央ICから車で20分

※公開時点の情報になります。最新情報はホームページなどでご確認ください。